失われゆくもの2011年02月26日 15時00分


金比羅

上の写真、ビルの向こうにお社が見えるのわかりますでしょうか?

水曜に、めずらしく都内へ出役。
その業務後、もう5時を回ろうとする時刻ですが
ある神社に寄り道させて頂きました。
(ホントは、午前中に行きたい所ですが、まあ)

都内は、虎ノ門にある、金比羅神社。
祭神は、大物主命(大国主さんの最終Ver。大物主←大国主←大己貴命)と崇徳天皇。

10年ほど前、業務で都内をまわる事が多かったんですが
精神的にかなり参っている時期でもありました。
ふと、虎ノ門界隈で見かけたお社が、「金比羅神社」。

「こんぴらふねふね〜」の歌でも有名な、海上交通の神様。
何故四国でなく、都内にというのは、讃岐国の藩主が江戸時代に勧請した事に依ります。

当時は、こんなビルもなく、きちんと塀に囲まれた、静かな神社でした。
神頼みをするというより、もう、なんだか気分を落ち着かせるために寄らせて頂いた、
そんな記憶があります。
あれから、月日が流れ、取りあえず、なんとか生きております。

近くに行く事がなかなかありませんでしたので、
当時の御礼も兼ねて、一度訪れたいと思っていたのですが・・・。

この虎ノ門琴平タワーが、境内を跨いで建築されたのは、知っておりました。
でも、実際にこれを見たら、やはりショックです。

しかし、鳥居の上に跨ぐ様な形、ある意味この建物の1〜3階部分のエリアが
鳥居を模したのカモしれませんが、私には、そうは感じません。

この屋根の下の、桜田通り側に面した鳥居で、一礼してから入ります。
が、境内の境界がアバウトです。

手水で清めますが、水道らしく、止められています。
境内に斜めに立てられた正面に、二の鳥居があります。

しかし、境内に漂う、煙草の強烈な臭い!
「な、なんでだ?!」
周りを見渡して、愕然とします。

写真の奥の奥、右中央に、茶色の柵の様なモノがありますね。
あれ・・・喫煙所です((;゚Д゚))ガクガクブルブル 

け、境内に、公共の喫煙所とは、何事かっ。
しかも、その喫煙所の隣りには、本殿とは別に設けられた
にお稲荷さんと結神社の末社があります。
・・・言葉を失いました。

しかも、裏鳥居(裏鬼門?)からは、続々と人が流れてきます。
と、通り抜けするんかい?
結神社の向こうにも、人が流れています。ど、どうなってる?

兎に角、本殿にご挨拶。
数年前の御礼をさせて頂きました。

社務所は、琴平タワーの1階に食い込んだ形で作られていました。
ああ、いい環境になって良かったねって皮肉の1つも言いたくなります。

この先の山王には、首相官邸のそばに、都内屈指の神社である「日枝神社」も鎮座しています。
しかし、あそこは、ビルの谷間とは言え、お山の形になっており、少なからず
鎮守の杜の形態を留めているためか、御神気が感じられます。

でも、ここはどうでしょう。

土地の問題、再開発組合の問題、まわりとの譲歩?
さまざまな理由があったのでしょう。

しかし、やって良い事と悪い事があります。
タバコが良い悪いではなく、境内のあの場所に
「喫煙所」を設置する発想が私には理解できません。

涙が出そうになりました。
暗澹たる思いで、虎ノ門を後に、帰宅しました。


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さて、本日。
散髪後、給料日後ということもあり、相当道路も混んでいます。
無料チケットをゲットしている、都内の美術展なども行きたいのですが
すでに午後になりそうですし、完全に出遅れです。

実は来月、伊勢参りをするので、私も考えていたのですが
カミさんも、同じ思いだったので、「多摩御陵」に行く事にしました。

駐車場に車を置き、参道に向かうと
今日は、整備中なのか、表参道は閉鎖されています。

表参道は、こんな感じ↓ 10月撮影


御陵

道順に従い「北参道」という道に向かいます・・・。
皇室の方の御車でも通るのでしょうか?


武蔵野陵 北参道
道を見て頂くとわかるんですが
あ、アスファルトになっています・・・・。

しかも打ちたてなのか、あの特有な臭いがします。杜の匂いがしません。
なんだかしっくり来ない気持ちで、武蔵野陵へ向かいます。

この写真の正面、杉の樹の所は、以前逆から写真を撮ったハズです。

ええと・・・・
武蔵野陵 北参道 以前
この写真です。ほらっ、砂利道じゃないか!

まさか、今改修の表参道も、アスファルトを打つつもりじゃないだろうな、宮内庁!
(あるいは国土交通省か?、や、管理はやはり宮内庁だろう。)

そりゃ、樹の枝とか、葉っぱとか、管理にお金が掛かるのはわかります。
でもね、
明治神宮や、さらに(伊勢)神宮の参道をですね、
アスファルトを打つなんて、暴挙にでることないですよね?? 
ていうか、しないだろう普通!

車いすの方とか、脚の悪い方が、この砂利道が苦手なのはわかります。

どこかのアホ家族が、子供が歩いているのに、ベビーカーを引きずって
轍をあちこちに作り逃げてるのは、しかたないとしても、歩ける方は
隅の砂利が少ない所を歩くべきであり、便利にしちゃうのはおかしいです。

それとも、ココを観光地にしたいのですか?
(この墓所で、騒いでる子供を注意できぬ、アホ親が多いのも嘆かわしいんですが。)

ならば、北参道とはいわず、人だけスムーズに行ける、舗装した道を見えない場所に
つくれば良いのでは、と思います。(でなきゃ、隅の片側だけ硬くするとか?)

武蔵野陵
昭和天皇に、 今上天皇のお体の事をお願いしつつ・・・


武蔵野陵にて梅
武蔵野東陵の梅

この付近は、中央は砂利道、隅は砂利を押し固めたコンクリートの様な道。
これは、以前からですが・・・多摩陵へ向かう道や、多摩陵の車いす回しの道は
すべて、この砂利固め形状の道に変わっていました。

反対側から、表参道を見ましたが、工事の概要は全く不明。
詳細も記載されていませんでした。

北参道を戻り、表参道の入り口を見ます。

失われ行くもの
表参道入り口付近の「手水舎」まで、この右の新舗装が・・・・

工事は3月末まで。予算消化の工事にも見えます。
果たして、どうなるのか。

個人的には、この場所は、神宮、明治神宮に通じる、
御神気溢れる場所と思っていました。

目に見えないものへの畏れを失った日本人は、
やはり滅びへの道を歩んでいるのかと思う、今日でした。

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金比羅神社で、(たまたま)頂いた、東京神社庁が発行する
今月(二月)の「生命の言葉」(毎月でる紙のお札)は、偶然にも、この詩でした。

『ふりつもる み雪にたへて 色かへぬ
       松ぞをゝしき 人もかくあれ』   詠み人:昭和天皇