パンドラの箱の向こうに2006年12月14日 20時28分

水谷先生
あした笑顔になあれー夜回り先生の子育て論
出版:日本評論社 著:水谷 修

先日のブログで紹介しました
http://motospowerweb.asablo.jp/blog/2006/11/04/623003
水谷修先生の本です。
TVで組まれた特集などで、ずいぶん前から知っていたのですが
著作も何作か出されていて、今回初めて1冊を読みました。

江原啓之さんがおっしゃるように「子供はなにも悪くない。
そうしてしまってきた大人の問題。子供はなにも変わっていない」
水谷先生も基本的に同じ事を述べているのだと思います。

電車や街にいる、中高生。だらしない格好、きたない言葉、
冷めた目、しゃがみこみ煙草を吸う姿・・・親の躾の問題だと
正直思ってました。どんな育て方しているのかと。
でもよくよく考えたら、街やTVや生活環境に、そうしたものが
溢れています。綺麗な言葉だって大人も使っていないです。
ぶつかっても謝らない、ありがとうも言えない大人ばかりです。

会社では、倫理教育が始まりました。正しい事はこうなんだと
きちんと教えないとわからない時代になってしまったかと思います。
社会に出た大人に教えているくらいです。もう終わってます。

電車に乗れば、ちょっと良いところに通う、私立の小学生の
男の子たちが、電車の雑談で、すごい言葉を使っています。
「うざい」「やばい」「ムカツク」・・・
ムカツクなんて、胃の調子が悪い時にしか使えない言葉でした(爆)
こうして書くだけで気分が滅入る言葉です。だれが流行らせたのか?

水谷先生が、1人で覗き込んでいる「パンドラの箱」の底には
「子供たちの幸せ」という「希望」があるはずです。
しかし、こうして本を知った自分は何ができるのか?

「批判をする前にあなたは何をしましたか?」
学校が悪い、行政が悪い、国が悪い・・その前に自分は何をしたか?
水谷先生の厳しい言葉が胸に響きます。

自分にはまだ子供がいません。持てないかもしれません。
マンションに居る子供達は、ゲームボーイを握って親の帰りを
ロビーで待っています。マンション内で悪いこともします。
自分にできることは何か?まず声を掛ける。あいさつをする。
悪いことを叱ってあげる。親がしなくなったことを一介のおじさんが
することは、難しいこともあります。でも正しいことをしたいです。

優しいこと、正しいこと、きれいなこと・・・
日本人が大切にしてきた事が、全部「かっこわるい」事
になってしまいました。

このブログを見に来てくれた方、お子さんがいらっしゃる方
いらっしゃらない方も含め、この本を読んでください。
水谷先生1人が夜も寝ないでがんばっているのを感じませんか?

昨日の帰り、電車である母子を見ました。雨の日です。
まだ小学校1年か幼稚園の年長さんくらいの女の子でした。
体が隠れるほどのダウンジャケに包まれて、長靴を履いていました。
ドアの近くに立っていました。
お母さんが体を折り曲げて、足下をみています。
「○○ちゃん、長靴がぎゃくだったね〜」
「へ?」
よく見ると、女の子の長靴が、右左逆に履いていて、
両方のつま先が外に向いてしまっています。
女の子は、我関せずというばかりにニコニコしながら
両方の脚をクロスさせて、こうすれば逆じゃないよと
お母さんに、見せました。
「ハハ、つかまって。」
TVドラマの影響かお母さんを「ハハ」と呼んでました。
お母さんと手を握りながら、ある駅で降りて行きました。
微笑ましい光景だったんで、水谷先生の本を読みながら眺めていたら
その駅が自分が降りる駅だと気がつかず、乗り過ごすところでした。

最初は、みんなこうだったんですよね。
親の愛情があれば、みんなこうだったハズ。

温かいものを感じながら、駅へとおりるワタクシでした。