マイクロフォーサーズで『デジタルデュープ』2020年12月30日 18時30分


ここから長くなると思うので
先に、要点と結論を。

このスレは・・・

①マイクロフォーサーズ による

②昔撮ったフィルム(ネガフィルム)の

③デジタル化(いわゆる『デジタルデュープ』 と

④その後のカラー化(現像)

をどうやるか?(やれるのか?)
という内容です。

キーワードとしては
#デジタルデュープ
#マイクロフォーサーズ(OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅡ)
#ニコン NIKON ES-2 [フィルムデジタイズアダプター]
#ルミックス G MACRO 30mm(H-HS030)


【結論】
機材は、結果的に、それなりに準備することになりました。
つまり、コストも掛かってます。

①カメラ:OM-D EM-1 MarkⅡ(マイクロフォーサーズ)

②レンズ:ルミックス G MACRO 30mm(H-HS030)<新規>

③ニコン NIKON ES-2 [フィルムデジタイズアダプター] <新規>
 ※ES-1ではなく、ES-2の方です。

④ライト:Pixel G1S RGB LED ビデオライト <新規>
 (これは、フラッシュでも他ライトでも可能と思います。)

⑤現像ソフト:SILKYPIX® Developer Studio 10 <新規>
 「ネガ反転ツール」活用(スタンダード/PROにあり)

です。

これだけ揃えば、ネガフィルムをデジタイズできます。

【レジメ】
 0.きっかけ
 1.フィルムと私。
 2.自宅機材での実験と結果
 3.検証結果による機材検討
 4.機材導入
 5.実証実験と結果
 6.所感

     ********************

 【0章 きっかけ】

ネガフィルムをデジタル化するという方法は
フォトヨドバシの特集で、なんとなく知ってました。

フィルムをライトボックスで照らし
カメラを俯瞰に配置して、フィルムを通した光を
デジタルカメラでRAW撮影し、現像・・・

大ざっぱな内容は理解していましたが
そもそもフィルムカメラ(OM-10はある)も
使わない状況ですし、今更・・・な気がしていました。
そもそも、あまり時間も無いし、特に心動かされず・・・


しかし、iPhone12Proの導入でいろいろ調べている中
こんなAPPを見つけました。



『NEGAVIEW PRO』というアプリで
ライトボックスで照らしたネガを
iPhoneのカメラで覗いたら、ネガからカラーにしてくれるという。
いや、画期的だと思いました。撮影もできる訳ですし
昔のフィルムを簡単にデジタル化できるのだと・・・。

ちなみに350円。
昔のフィルムをiPadで照らして撮ったのが、これ。
IMG_6303

悪くは無いですが、iPhoneを固定しない事には、ネガ確認の域を出ません。
解像度には限界があるので、ネガの整理には使えると思います。
ただ、これが簡単にできる事が、画期的だなと思いました。


【1章 フィルムと私。】
古いネガは、それなりにあるんです。
まあ、デジタルカメラの使い始めは
たぶん、99年頃。富士フイルムのデジカメ DS-20。20万画素です。
今や、20万画素から(E-M1 MarkⅡ)は2000万画素!

つまり、それまでは、フィルムカメラでした。

このスレ(2010年9月16日)にも、カメラとの歴史が書いたんですが

中学の頃に購入した「コニカ製C35EF(ピッカリコニカ)」
が初号機だと思います。

学生時代のホームステイ(LA)とか
フィルムが何本かあるので、このカメラで撮影したとしか
思いつかないのですが、5,6年使ったんでしょうね。

その後は、暫くカメラもなく
カミさんとつき合い始めて買った「ミノルタのAPEX90」。
これが、新婚旅行からハワイ旅行などにも持って行っていたかと。

デジカメの画素数が上がっていき
フィルムも現像して印刷するという事もだんだん減り
フィルムからデジタル移行したのが
2004年頃でしょうか(FinePIXF700の頃)。

つまり、手元にあるのは
①学生時代の写真
②結婚前の写真
③結婚式w
④ハワイなどの初期の海外旅行から2000年位までのもろもろ。

数えたら、ざっと45本分くらいな量です。

実家に行けば、もしかしたら・・・
『スーパーカーブーム』で撮りまくった
ランボルギーニやフェラーリのネガがあるかもしれません。
残っていれば当時のパースの付け方とか
今の撮影に通じる何かがあるか?を確認できるんだけど・・。


【2章 自宅機材での実験と結果】

とりあえず、ネガフィルムに光を当てて、どんなものか実験してみました。

そのために、フォトスタンドのガラスを2枚使って
ネガを挟むフォルダーを作ってみました。

最近、100均などのフォトスタンドって、みんなアクリルなんですよね。
小さいガラスが手に入らず、自宅にあるモノを流用してみた次第。

RAW_201230003

開くと、こんな感じ。

RAW_201230002

まともなライトボックスが無いので、iPadで流用してみました。

RAW_201230004

ガラスで挟むので、フィルムの押さえられるのは良かった。
古いフィルムは、結構、ソリが入ってたりしますので。

ちなみに、iPhoneのAPPで撮影すると、こんな感じ。

IMG_6304

さて、実際にカメラで撮影です。
手元のマクロレンズは
M.ZD60mmMacro(撮影距離19cm:1倍)
ZD50mmMacro(撮影距離24cm:0.52倍)
しか、ありません。

実際、手持ちの三脚との組み合わせだと
こんな感じに。

RAW_201230021

調整しても、手持ち三脚だと
こんな感じまでしか寄れません。

RAW_201230023

なんとか場所を探して・・・
RAW_201230022

肝心のフィルムの位置が合いません(爆)

RAW_201230026

ちなみに、外れたとして
なんとか撮影したネガフィルム。

RAW_201230001

カラー化を先に考えた場合
Lightroomを使ってないワタクシは
年間契約に至るのが、どうにも踏み込めず。

単発買いで、一発でネガからカラー化ができるソフト
を探した所、ありました!(これに時間掛かった)

SILKYPIX Developer Studio 10、です。

『SILKYPIXでネガフィルムをデジタルデータにしよう!』

ネガフィルムの未露光部分を
スポイトツールでクリックすると
一発変換してくれる機能を有しています。

M1M20005

まあ、なんてことでしょう。
1987年のチャイニーズシアターが蘇りました。

とりあえず、体験版ですが
これなら廉価版でもOKです。

【3章 検証結果による機材検討】

さて、この結果から
ネガフィルムをきちんと撮影さえすれば
なんとかカラー化をする事ができることは分かりました。

で、機材をどうするか?

①ニコン ES-1 検討

ニコンのアクセサリーに、ES-1 というものがあります。

【スライドコピーアダプター ES-1】

ニコンユーザーだけでなく
マイクロフォーサーズでもいくつかサイトがヒットします。

30mm程度のマクロレンズを使うのが一般的で
(35mmフルサイズなら60mmレンズ)
マイクロフォーサーズで60mmを使った例はありませんでした。

さらに、このES-1・・・
スライドを装着する仕組みなので
ストリップ型のフィルムフォルダーは使えません。

強者は、これを改造して、フォルダーFH-4を
使える形にしていますが、手間が掛かるし
ワタクシは、皆さんがご存じの通り、不器用ですw

改造ができれば、7000円位の投資で行けそうですが
ワタクシの場合、手持ちレンズのワーキングディスタンスが
長すぎると思いました。


②フィルムを固定して、俯瞰撮影は?

フィルムを固定するのは出来そうなので
フォトヨドバシよろしく、コピースタンドを買って
三脚の代わりに、クランクを回して
フィルムから垂直距離を保つ方法。

これなら手持ちレンズでも行けそうですが
レンズの固定は、都度手作業になるし
効率的にも思えません。

ちなみに、コピースタンドは
安いモノで、17000円位(´ヘ`;)

使わない時には無用の長物です。

ちなみに、三脚に俯瞰撮影できるための
「SLIK 雲台アクセサリー スライディングアーム」も
考えましたけど、同様の理由で却下しました。



③やっぱり ニコン ES-2 の検討

ニコン様には、ES-1でなく
ちゃんとストリップ型のフィルムフォルダーを使える
こんなものがございます。

【フィルムデジタイズアダプター ES-2】

流石ですね。ニコンのカメラにもネガ反転機能もある様子ですし
昔からのフィルムユーザーにも気を配っています。

それにしても、破格の値段。約2万円...orz 。

60mmマクロを装着するにしても
Kenkoなどのメタルフードを繋げて
被写体(フィルム)からの距離を取らないといけなさそう。

しかし、フィルムをホルダーに固定し
本体に差し込んで撮影。

セットできてしまえば、一番時間が掛からず
デジタイズできそうな組み合わせです。

兎に角、手間と時間を掛けないなら
コストを掛けるしか?ありません。

ということで、ほぼ、ES-2の路線で固まりました。

④レンズ、どうするよ?

ES-2(ES-1)にするにしても
最短撮影距離が課題になります。

60mmマクロより、30mmマクロ系の方が
ワーキングディスタンスも短いし
等倍マクロが撮影しやすい。

オリンパス・オンラインは既に終了し
M.ZDの30mmマクロを買うチャンスも逃しました。

ただねえ
元々30mmマクロにはあまり触手が動かず
チャイナ製?でもあるし、自分のスタイルとして
めちゃ寄る訳でも無いので
だから買わなかったレンズな訳です。
(志熊の30mmもあるしね)

だからの60mmマクロだった訳です。

なら、パナとかパナライカは???

近接距離とある程度しっかり作られている事から見て
個人的には、パナの30mmマクロが魅力的。
M.ZDより値が張りますが、満足感も高いかなと判断。

ということで、ネガのデジタイズのために
マクロレンズを追加で買うとは思っていませんでした。
(戻るなら今のうちだぞとゴーストが囁くのよ)


【4章 機材導入】

①ニコン ES-2

実は、量販店にもアマゾンにも、在庫がほぼなし。
なので、一度は諦めて、先送りを考えました。

しかし、某BC系の通販サイトで、越境した場所に
2点だけ、在庫発見。

ネットで取り置きし、車で回収に参りました。

流石の日本製。でも、高い、たかいです〜。

RAW_201230005

RAW_201230006

ここまで来たら、もう引き返せない。

②Panasonic LUMIX G MACRO 30mm F2.8 ASPH.

30mmマクロなんですが

LUMIX

最短距離が10.5cmです。
ES-2の寸法が、きちんと調べられず
だいたい52mmくらいだという事が
ググって判明しました。

なので、勝手な思い込みなんですが
105mmー52mmなので、50mm程度
その間を何かで埋めないと、と思い込んでました。

60mmマクロ検討時に、考えすぎた所為です。

Kenkoなどのメタルフードを2個購入。
もともと、レンズにフードが付いてませんから
普段使い時のフードにも使えるという考え。

でも、計算してもなんだか上手く行きそうにありません。

その中で・・・・フランジバックの言葉が。
某◎格系サイトでしたが、MFTは、だいたい20mm。

ポクポクポク・・・ちーんん。

一休さんな気分です。

スペック表をみても
撮影可能距離:0.105m〜(撮像面から)
とちゃんと書いてあります。

つまり・・・
105ーフランジバック20ーレンズの長さ64=約20mm。
これが、このレンズのワーキングディスタンスなのかと。

だったら、フードも何も要らないんじゃ?
と結論に至りました。

ホント、時間掛かり過ぎ。
余計な、モノも多少買ってしまいました。

IMG_6306

で、レンズが到着。

RAW_201230007

RAW_201230013

そして・・・なんと、日本製!!!

RAW_201230015

試しに、PEN-Fに装着。

RAW_201230016

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フォーカスが甘いけど、近接を。
RAW_201230031

そして、合体。

RAW_201230032

OM-D EM-1 MarkⅡ
Panasonic LUMIX G MACRO 30mm
マルミ ステップアップリング 46mm→52mm
ニコン ES-2
の順に付いています。

はい、メタルフードは不要でした(爆)

③Pixel G1S RGB LED ビデオライト

ついでに光源も購入。
たしかM2pictさんも紹介されていた気がして
密林で「欲しいものリスト」に入れてました。

いや、これで8000円は安い。

RAW_201230029

RAW_201230008

RAW_201230009

RAW_201230010

色温度も調整できますし、便利そうです。

RAW_201230012


【5章 実証実験と結果】

いよいよ、デジタルデュープです。

フォルダーはFH-4。
フィルムを装着します。

ゴミとかのクリーニングはホントはちゃんとすべきでしょう。

RAW_201230035

三脚に、カメラを固定。
反対側から照明を。色温度は5300Kにしました。

RAW_201230037

こんな風に、フレームぴったりにフィルムが。
30mmマクロとES-2の組み合わせなら
悩む必要、無かったんですよね。

フィルムの設置ですが
未露光部分が写る形にした方が
後の現像時に有効だと分かりました。

さて、撮影した、フィルムがコチラ。

RAW_201230019

SILKPIXを使って現像し、Appleのアプリ「写真」で調整。

M1M20033

どうでしょうか。
元々、バスから撮影した写真なので
これだけ再現できれば、満足かと。


【6章 所感】

思いつきで始めたんですが
正直、コストを考え、辞めようかと思ってました。

結局、レンズ(パナ30mmマクロ)とES-2、
そして、廉価版のSILKPIXを導入するのですから
6万円超えになりました。

ただ、性格的に「やると決めたらやる」に固執する事もあり
幸運にもES-2も手に入ったので、年末のこんな時に
なんとかデジタルデュープの実験は成功しました。


フジなどのデジタル化サービスはあるものの
500万画素程度であり、全部のフィルムを一括に
出しても、見ない写真も多いですし
必要な写真だけ、自分でデジタイズした方が
自分の用途には合ってるなと思ったのも
この形になった理由です。

さて、過去の遺産?である
フィルムですが、それなりの整理と清掃も必要。
はたして、それをやり、デジタル化するのか
そんな時間があるのかしら、という事ですが
とりあえず、やりたい事ができる環境は整いました。

機会があれば、60mmマクロの対応も
挑戦してみたいと思います。

というわけで
お疲れ様でした。

よいお年をお迎えください。