現代人の感性で推し測る事なかれ2007年07月16日 18時06分

出口のない海
TSUTAYA-DISCUSで借りておいた「出口のない海」を見た。
平成のプレイボーイ・市川海老蔵が演ずる、
特攻潜水艦=回天にまつわる話しである。

ストーリーはネタバレするから、あえて記載しないけど
海老蔵ら演ずる、特攻隊員の心境を描いた作品ではあるが
どこまで理解して反映されているか、まったくわからない。

いつ何時、回天で敵戦艦や輸送船に特攻をしかけるかわからない
彼らが、極限状態の中で、いざ「出撃」の際に、どういう心理かつ
どういう行動に出たのかは、おおよそ知る由もないだろう。

しかし、靖國の「遊就館」にも多数の特攻隊員の方の辞世の句など
が展示されているが、特攻を志願したあの方達が、しかも
(全員とは言えないが)「潔し」を至上のものと考えていた方たちが
あんな、映画みたいな態度でいたのだろうか?
あまりに、どの登場人物も「現代人」すぎる。
見送る方だって「心で思っていても、決して言葉に出さず」
「ご武運を」と一言言って、送り出したのではないか?
そりゃ、今の日本人からすりゃ、ああいう(非常に言葉が悪いが)
みっともない死に方をしたであろう、と想像するのは監督以下の
勝手だが、そんな描き方は、あまりに彼らに失礼じゃないのか?

エンディング間際で、主人公がキャッチボールするシーンの
セリフさえ、露骨に脚本家がしゃべらせてるセリフに他ならない。

これを見るくらいなら
靖國「遊就館」で「私たちは忘れない」を見て欲しいよ、ホント。

あの当時、出撃しても生きて帰ってきた方たちもいるハズ。
しかし、「生き恥を晒す」という恥の概念、「生きて帰ってきた」と
いう迫害、そうしたことが、戦争体験者に口を閉ざさせてしまった
んだろうか。近年、こうした映画(「男たちの大和」とか)が沢山
作られるが、あまりにも「今の感性」で描かれてしまっていて、
いつも残念であり、恥ずかしくもある。

「戦争論3」を読んでみない?
http://www.amazon.co.jp/新ゴーマニズム宣言SPECIAL-戦争論〈3〉-小林-よしのり/dp/434400356X/ref=sr_1_1/250-2580838-9002614?ie=UTF8&s=books&qid=1184578148&sr=8-1

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