早く見ればよかった(´ヘ`;)2007年06月09日 21時05分

フラ&武士
代車を借りた金曜日。
夕方でも早い時間だったし、これはチャンスと、ツタヤへ。
レンタル開始されたばかりの「武士の一分」とDISCUSじゃ全然
借りられない、「フラガール」をようやくレンタルできた。

<武士の一分>
山田洋次監督、藤沢周平原作の三部作。
そしてあの木村拓哉が主演した時代劇だ。
3作共通して、東北の海坂藩が舞台になっていて
しゃべる方言もおなじ、時代背景もだいたい同じ頃と
思われ、前の2作品を見ている者にとって、入りやすい。

ストーリを書いてしまうとネタバレなので、ここでは控えるが
かつて日本人が持っていた美徳があり、(現代人からの理想の
部分も入っているのカモしれないが)、男は男の、女は女の
役目をこなしていた、ある意味、いい時代の話である。

キャッチコピーに軽々しく「命をかけて守りたい『愛』がある」
と書かれてしまっては、全くの興醒めだが、小林よしりんではないが
「命を捨ててまで守るべきもの」がたしかに昔はあったのだと思う。

山田監督が惚れた、キムタクの演技は、ハウルの時からすごいと
思っていたが、今回も、役柄の一部を「木村拓哉」に融合させながら
主人公=三村新之丞に昇華しているところは、なかなかすごい。
昔SMAPXSMAPで、彼の剣道を見たことがあるが、立ち回りも
さすがに器用にこなしていた。才能がある人はなんでもヤルのね。

でも、個人的には、「隠し剣・鬼の爪」が好きだけどね。

<フラガール>
日本の映画祭を総ナメした、ジェイクも音楽監督を務めた
日本のハワイ=スパリゾートハワイアンズ設立の映画だ。
だいたい「日本のアカデミーなんて、ナンボのもんじゃい」と
思っているハリウッドかぶれ症候群のワタクシは、はっきり
いって、ナメてましたこの映画。訂正とおわびが必要です。
(でも、米アカデミー作品も、どうよという作品も多いが。)

炭坑の町では、炭坑で生まれ、炭坑で育ち、炭坑で働き、
そして死んでいく。しかし、時代は石炭から石油に代わり、
次々と縮小される炭坑。バブル以降、急に出てきた「リストラ」
だと思ってたけどああ、この時代から、リストラってあった
じゃないのて思う次第。
ハワイを常磐にと、どういう発想と予算(18億って言ってたが)で
この計画ができたのかは触れられないけど、その設立のために
炭坑の女の子ががんばるストーリー。

フラダンサーをストリッパーと間違えていたり、腰蓑を着けたあの
ポリネシアンダンサーの格好を「あげなかっこできね”」と
恥ずかしがるのを見て「ああ、いい時代だったな」とまず感動。
人と人のやりとりなど、今、本当になくなってしまった、情緒や
奥ゆかしさ、思いやりが、この映画に散りばめられていて、
ホント何度か泣きましたよ、マジで。

ストーリーも良かったけど、きちんと演出されているのも
伝わってきて(特に、あのホームのシーンね)、良い作品
だなと、思った次第ですわ。
たぶんおそらく、短期間にフラを特訓したと思われる
松雪さんや蒼井ちゃんらのダンスも優雅で美しかったです、ホント。

監督は誰と思いきや、李相日という、なんと在日の方なのですね。
や、日本人の監督が、こういう作品を作れなくてどうすっぺと
なんだか、反面やるせない気持になったよなぁ。

久々に、日本のいい映画に出会えました。ん、お奨め★★★★★。