行間の思い〜ALWAYS〜2007年06月16日 10時40分

旧作3本600円だったので、先週見たDVDを返すついでに
またレンタルしてしまった。その内の1本が、前々前から
見れなかった「ALWAYS 三丁目の夕日」だった。

日本映画であるというのも、食わず嫌いで見てなかったし
いざ借りようと思ったらDISCUSになし、といった感じ。
すでにTVで放映してしまったが、借りるしと見てなかった。
何故か6時に目が覚めた今日、早朝映画祭よろしく
さっき見終わったところだ。
果たして・・・最近の日本映画侮り難し!である。

昭和33年。
東京タワーが建築中の東京。
高度成長前の時代を描いた作品だ。

CGを駆使した、東京の当時を再現したのもいいのだが、それよりも
この時代の子供たち、大人、子供と大人、大人と大人の、
言葉と言葉の間に存在する「おもいやり」「察する心」みたいな
「目に見えない」ものを、描いた作品だったと思う。

映画のラストで、赤々と沈んでゆく夕日。
子供が「この夕日は明日もあさっても、そして50年経っても
変わらないよ」というセリフ。2時間強の流れを見せられた後の
昭和生まれのおぢさんには、もう涙が止まらないシーンだった。

日本人が、日本人として失った「何か」の大きさを考えたら
すごく切ない気持になって、どうにもならないかのような
そんな気分になったのだ。
「50年経っても変わらない夕日」は「50年経ってこんなに
変わってしまった日本人」と逆説的にそう感じたワタシは、
このセリフに容赦なく打ちのめされる。
なんだか失ったものが大きすぎて、モノがなくても豊かだった
時代を懐古する気持ちなんて、ふっとんじまう。

この映画で、80年代以降に生まれた若い世代が
どれだけ、この映画の「行間」に存在する、監督たちの
「思い」を感じることができるのだろう・・・。

スタッフや役者の世代から言えば、自分の世代。
もしかしたら、戦前生まれの親に育てられた世代が
こうした感覚を持ってる、最後の世代なのか?と
傲慢にも似た、悲しくも切ない気持とともに、
じゃ何ができるんだろうと思ったりするのは、
やはり傲慢なのかなぁ。

この監督、VFX畑の様で「リターナー」もやってた様。
「鬼武者3のオープニングムービ」を作った人と見て
ああ、あれね、と納得してしまいました。
俳優のキャスティングもなかなかで、純君(吉岡くん)やっぱ
上手いよね。それよりなにより、子役の男の子たちのうまさ!
昭和の子供を見事に演じきってました。

涙もろいおぢさんとしては、まちがいなく★★★★★。

コメント

_ ryujin ― 2007年06月16日 14時27分

以前、のり~んさんも この映画を賞賛されていたので、あの時は、すぐにTSUTAYAに借りに出向いたのですが、借り手が多く、1ヶ月2ヶ月先と言われて忘れていました::

今日、MOTOさんをも感涙させたお話を伺い、すぐにでも~また、レンタルに走ります^^

_ MOTO ― 2007年06月16日 17時22分

ryujinさんもまだ見てないのですね。ネタバレ多くてすいません。
でも、2時間見たあとなら、このセリフの意味している所を
感じていただけるのではと思います。

_ のり~ん ― 2007年06月16日 18時03分

おっ?!とうとうMOTOさんもご覧になられたんですね(☆≧▽≦)/ャッホォ~★
私のなかでは、好きな日本映画第1位です。

そうなんです。目に見えない大切な「何か」それをすんごく
表現してる映画なんですよね~~~~

知ってました?
あの映画、ほとんどCGだけど、最後の夕日だけは
本物なんですって。
偶然、素晴らしい夕日に出逢った。って監督が感慨深げに話していました^^

_ MOTO ― 2007年06月16日 19時33分

やーいい映画だった。当然、現在ランキング1位だな。

あれ、本物の夕日なの?
きれいに撮れているしCGだと思ったよ。
(ていうか、実はウルウルしてどんなんだったか覚えてない)

映像的には、S33年をCGで描いたのもいいんだけど、
自分的には、あの淳之介くんが、書いていた小説の未来図。
高層ビルが点在し、チューブの中をエアカーが行く。
まさしく、子供の時に「未来図鑑」でみた21世紀の予想図。
ウチら世代はイチコロですわ。

決してノスタルジーを描いた作品でないことを、わかって欲しいよね。

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